自民党の定年制をめぐる出来事
自民党内で衆院選比例区を73歳未満とした「定年制」をめぐり、ベテランと若手が火花を散らしている。一票の格差を是正する「0増6減」導入後、比例転出を迫られる議員が出ることを念頭にベテランが見直しを主張する一方、世代交代を図る若手は内規の堅持を訴えている。
「党の活性化、新陳代謝をしっかりと担保できることが必要だ」。3日、自民党の鈴木馨祐青年局長(39)は選挙対策を仕切る古屋圭司対策委員長(64)に面会し、定年制を維持するよう申し入れた。党内でくすぶる定年制の見直しを求める声を封じる狙いだ。
二階俊博幹事長(77)や高村正彦副総裁(74)、麻生太郎副総理(76)ら政権中枢は小選挙区を勝ち抜いているとはいえ、ベテランがズラリ。ある70代の議員は「若手は歴史も分からず、選挙運動ばかりだ」と憤り、「古老」の知恵と経験の意義を強調する。細田博之総務会長(72)は3日の記者会見で「年齢という生物的な基準で仕切られるのは、逆の差別ではないかという議論もある」と、見直し論に理解を示した。
定年見直しを後押しするのは、衆院の「0増6減」。対象となる6県で選挙区が一つずつ減るため、党の公認調整で少なくとも一人は引退するか、小選挙区をあきらめて比例区に立候補するしかない。
党の内規は、党公認時に73歳に達していると、小選挙区には立候補できるが、比例区には立候補できない。対象6県のうち、奈良、熊本、鹿児島の5人は、衆院任期満了時点で73歳に達している。
若手の申し入れを受け取った古…