抱っこひもから落ちたり、落ちそうになった時の状況
抱っこひも使用時の事故やけがをしそうになった「ヒヤリハット体験」を、メーカーなどでつくる団体が初めて募りました。答えた人の7割が落下の危険を経験していたほか、赤ちゃんの成長に応じて危険の種類が変わることが判明。今後、製品の改善に生かすそうですが、事故を防ぐには利用者はどこに注意すればいいのでしょうか。
「子どもがのけ反って転落しそうになった」「帽子を拾おうとかがんだ時、落下しそうになり慌てて抱きしめたが、商品棚の角で頭を打った」――。メーカーなど37社でつくる「抱っこひも安全協議会」が昨年11~12月に実施したヒヤリハット体験のネット調査には、そんな体験談が多く寄せられた。
計756件の回答が集まり、ヒヤリハットの種類(複数回答)では、着脱時やかがんだ時などの「落下」が541件(約71%)で最も多かった。ひもをきつく締めすぎてしまうことによる「足や手などの強い圧迫」の134件(約17%)、「窒息」の56件(約7%)が続いた。
「落下」の状況を分析すると、「抱っこした時」(247件)、「かがんだ時」(163件)、「降ろした時」(133件)が多かった。月齢別では、4カ月までは体が小さいことによるすり抜け、4~6カ月では突然のけ反ることで抱っこひもから飛び出しそうになることが目立ち、発育段階によって危険の中身が違うこともわかった。
こうしたヒヤリハットや落下した時の重症化を防ぐにはどうすればいいか。協議会は抱っこひもの着脱時はなるべく低い姿勢をとること、前にかがむ時は必ず赤ちゃんを手で支えながら、ひざを曲げて腰を落とすことを呼びかけている。両手を荷物でふさがないことも大切という。
また冬に、ダウンジャケットなどの厚い上着姿で抱っこひもをつけていた場合、室内で上着を脱いだ後に抱っこひもが緩いまま使うと、赤ちゃんがすき間から落下しやすく、ベルトの調節を怠らないように注意が必要という。
今回の調査では、ヒヤリハット時に使った抱っこひもの種類や、「対面抱っこ」「おんぶ」といった使い方も聞いた。協議会は集まった情報を会員企業で共有し、製品や取り扱い説明書の改善に役立てる。調査はこれからも定期的に実施する予定だ。今回の調査の詳しい結果は、協議会のホームページ(
http://dakkohimo.jp/
)で見られる。