陥没現場のイメージ
福岡市のJR博多駅前で起きた地下鉄工事現場の陥没事故で、トンネル天井部の岩盤を補強する鋼管の一部を施工業者が切断していたことが市への取材で分かった。事故原因を調べる国の第三者委員会にも報告されており、焦点の一つになるとみられる。
特集:博多駅前陥没
市によると、施工業者の大成建設JV(共同企業体)がトンネルを掘削する時に、岩盤に鋼管(直径約11センチ、長さ9・5メートル)を斜め上方向に打ち込んで補強。天井部のアーチに沿って鋼管を30本並べて埋め込んだ上で、前後に鋼管が重なるように配置していた。さらに地盤を強くする薬剤を鋼管に沿って注入し、掘り進めていた。
ところが、陥没が起きた昨年11月8日午前5時20分の直前に大成JVが撮影した現場写真などから、トンネル天井部の鋼管が数本切断されていたことが判明。岩盤の一部に鋼管がない部分ができ、補強が十分でなかった可能性があるとみている。大成JVは第三者委に「施工の支障になったため切断した」と説明しているという。市は「切断すること自体が計画になく、事故前に市は知らないことだった」としている。
大成建設は取材に「第三者委員会の審議中でコメントは控えたい」と話した。
このほかにも第三者委では、大…