愛知県一宮市立浅井中学3年の男子生徒(14)が自殺した問題で、生徒への指導が「不適切」とされた担任の男性教諭(47)が、市教育委員会の聞き取りに対し「自分としては、いじめはしていない」と説明していることが分かった。市教委は今週中にも第三者委員会をつくり、自殺に至った経緯を検証する。
校長、「教員のいじめと認識」一転否定 愛知の中3自殺
特集:いじめと君
市教委や生徒の両親によると、生徒が昨秋の体育祭で骨折した際、担任は「用事がある」と母親からの連絡に対応せず、教頭にも報告しなかった。学校側は「担任は打ち上げに行っていた」と説明している。生徒は「プリント配布は何度もやらされた」とも訴えていた。こうした行為について、同校の上田隆司校長は「不適切」と認める一方、「いじめかどうかはわからない」としている。
市教委によると、聞き取りに対し担任は、当時「用事がある」と話したことについて「入院している父親の見舞いに行った。宴席に行ったかどうかは覚えていない。身内のことだからあまり話したくなかった」と説明したという。また、「配布する係はいるし、男子生徒だけに頼んだわけではない。あえて男子生徒に頼んだかどうか思い出せない」と答えたという。
第三者委は弁護士や医師らで構成される予定で、両親や学校、担任に話を聴くほか、同級生らにアンケートを実施し、自殺の背景を調べる。