公開された釈迦三尊像のレプリカ=16日午後4時32分、東京都台東区、諫山卓弥撮影
東京芸術大と富山県高岡市、南砺市などでつくる協議会は、飛鳥仏の代表として知られる奈良・法隆寺の「釈迦三尊像」(国宝、7世紀)を3Dプリンターや伝統技術で複製し、16日、東京・上野の同大で報道陣に公開した。本物は門外不出だが、複製は高岡市のウイング・ウイング高岡で3月10~20日、再現された同寺金堂壁画と共に一般公開される。
東京芸大が、3次元計測した高精細なデータを元に3Dプリンターで樹脂製の原型を制作。それを元に銅器製造で知られる高岡市の伝統工芸高岡銅器振興協同組合が金銅の像を鋳造、井波彫刻協同組合が木製の台座を手掛け、東京芸大のスタッフが仕上げと着色を行った。
本物と同じ材料を使い、同じ質感を再現しているのがポイント。完成間近の釈迦三尊像はアーモンド形の目に微笑をたたえた釈迦如来、脇侍(きょうじ)ともにしっかりとした造りで、本物そっくり。この日は報道陣に、木製台座の着色などの最終工程の様子が公開された。
東京芸大COI拠点が推進する3Dプリンターの複製技術は、一から模作する場合より制作時間を大幅に短縮できる。完成後は比較的容易に持ち運びができ、例えば釈迦三尊像を背後から見せるなど普段目にできない角度からの展示も可能だ。
東京芸大の宮廻(みやさこ)正…