トヨタ自動車の「プリウス」が自動駐車するイメージ。超音波で車の位置を認識し、ハンドルを自動操作する(同社提供)
車庫入れや縦列駐車の操作を補助し、ほとんどを車がやってくれる「自動駐車」の機能が広がり始めている。駐車の操作は苦手意識を持つ人が多く、新機能は消費者をひきつけるとみて、メーカーは売れ筋の車種にも採り入れ、販売に本腰を入れ始めている。
日産自動車が昨夏に全面改良したミニバン「セレナ」の運転席に座ると、ハンドルが自動的にくるくる回り、斜め前に進み始めた。止まったところでシフトレバーをバックに切り替えると、再びハンドルが回り、今度はゆっくり後退。駐車中の2台の車の間にきれいに収まって止まった。人は速度を調整するだけでハンドル操作は不要だ。
別の機能と抱き合わせたオプションとして用意された新機能で、四つの車載カメラが駐車場所を認識。ナビ画面には周囲の状況が映し出される。SUV「エクストレイル」でも、2013年からオプションとして用意しており、両車種では、新車の6割で新機能つきが選ばれているという。
トヨタ自動車は、今月15日に全面改良して売り出した「プリウスPHV」で、上位モデルに同様の機能を標準装備。販売目標台数の7割にこの機能がつくと見込む。09年からこの機能がついた車を売り出し、現在はプリウスなど11車種で展開する。15年には一部車種で超音波とカメラを組み合わせて精度を高めた。
背景にあるのは自動運転をにら…