押収した証拠品を9年前に偽造したとして、福岡県警は16日、鑑識課の男性巡査部長(37)を減給1カ月(10分の1)の懲戒処分にした。「警察官として最低なことをしてしまい、申し訳ない」と話しているという。
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監察官室によると、巡査部長は宗像署刑事課に勤務していた2008年3月ごろ、同2月に管内で起きた強盗傷害事件で現場から押収した粘着テープ片が見当たらないことに気づいた。
過って廃棄したと思い、上司の男性警部補(50)に報告。警部補から「組織に誤廃棄を報告するか、偽造するかどちらかだ」などと言われたため、現場写真などを参考に粘着テープをカットし、添付書類とともに偽造したという。
数日後、警部補には「見つかった」と伝え、警部補は「偽造したんだなと内心は思ったが、あえて聞かなかった」という。不適切な指示が偽造を誘発したとして、警部補も戒告の懲戒処分を受けた。
テープ片は実際には鑑定のため県警本部鑑識課へ持ち込まれていた。昨年11月に署へ返却された際、同じ物が存在することで偽造が発覚した。