大阪市は16日、少なくとも今後10年は収支不足が続くとの財政見通しを発表した。1年前は、2023年度に収支不足が解消する見通しとしていた。この日発表した17年度一般会計当初予算案でも、子育て施策の拡充や大型公共事業もあり、収支不足は前年度より46億円増えた。市が目指す国際博覧会(万博)開催などが実現すれば、収支不足は拡大する恐れがある。
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就任2年目の吉村洋文市長は総額1兆7627億円の当初予算案で、看板の子育て施策を拡充。5歳児が対象だった幼児教育無償化を4歳児にも広げ、前年度当初より29億円近く増の54億円を計上した。保育所整備にも前年度の約3倍の116億5千万円をあてる。
大型事業も本格化し始める。当初予算案には、大阪駅北側の再開発「うめきた2期区域」に絡むJR東海道支線の地下化に37億円、阪神高速神戸線と新御堂筋を結ぶ道路「淀川左岸線2期」整備に20億円を計上。万博の準備費1億1千万円も盛り込んだ。2千億円の損失が出た阿倍野再開発の損失補塡(ほてん)も続き、17年度も119億円をあてる。
収支不足は199億円で、市は市有地売却や貯金にあたる財政調整基金を取り崩して対応する方針だ。
一方、市は今後10年間の収支…