新商品を手にするモンデリーズ・ジャパンの辺丙三社長(右)ら=東京都渋谷区
米モンデリーズ・インターナショナルが、「オレオ」「リッツ」「プレミアム」などの製造販売権を山崎製パングループから日本法人のモンデリーズ・ジャパンに移して半年。モンデリーズ・ジャパンの辺丙三(ほとりへいぞう)社長と森繁弘カテゴリーマネジャーが朝日新聞のインタビューに応じた。
新「オレオ」で購買層拡大を狙う 厚さ6割、軽い食感に
――「オレオ」「リッツ」「プレミアム」の製造販売権を移した理由は。
辺社長「米モンデリーズの成長戦略の中で、自前で製造販売したほうがいいと判断した。日本の消費者が喜ぶ商品を素早く投入できる。ちょうど山崎製パン側との契約が終わるタイミングで双方が合意した」
――消費者の反応は。
辺社長「日本の消費者は繊細で敏感だ。我々のオレオやリッツに対し『味が違う』との声もあった。だが、以前と同じものをつくる気はなく、より受け入れられる商品をつくったつもりなので、反応は想定通りだ」
――ヤマザキビスケットは、リッツに対抗して「ルヴァン」を発売しました。
辺社長「大事なのは、各メーカーが日本の消費者のニーズにいかに応えられるかだ。市場が活性化するのは非常に良いことだ」
――スーパーやコンビニなどの店頭でリッツとルヴァンは競合していますか。
辺社長「あくまで、小売店側の判断なので何とも言えない。ただ、予想以上に『リッツを扱いたい』という声はいただいた」
――リッツのCMでは、俳優の沢口靖子さんが出演していたCMで広まった「リッツパーティー」の演出を引き継いでいます。
森氏「リッツは45年の歴史があるブランド。『リッツパーティー』という言葉が日本に広まったのは、事実としてパーティー需要があるからだ。パーティーシーンを活性化するというアイディアは引き継ぐべきだと思っていた。ただ、若い世代や男性にも食べてもらいたくて、20~30代の男女にアピールできる長谷川博己さんをCMに起用した」
――アジアや北米で人気がある「オレオ クリスピー」を日本にも投入します。今後の戦略は。
森氏「オレオの新商品投入は、我々に製造販売権が移ったからこそだととらえて欲しい。今までは、グローバルにヒットした商品を日本市場に投入することに制約があった。今後は我々の手で積極的に投入していきたい」