仙台育英・佐々木順一朗監督
静岡・栗林俊輔監督
多治見・高木裕一監督
報徳学園・永田裕治監督
秀岳館の鍛治舎巧監督 ■中学野球のいま 未来の高校球児である小・中学生世代の野球人口の減少や、中学軟式と硬式の格差を、高校野球の指導者はどう感じているのか。今春の選抜大会に出場するチームの監督に、現状への思いや独自の取り組み、野球の普及発展に向けて思いつく手立てなどを語ってもらった。 選手減少、過渡期の中学軟式野球 指導者、絶対的に不足 OB集まれば「甲子園」 中学野球強豪チームの指導とは ■仙台育英・佐々木順一朗監督 仙台育英・佐々木順一朗監督 野球人気が突出した時代から、今は色々なスポーツで活躍できる時代になっている。だから野球人口だけ増やそうというのは違うと思う。その中でできることは、いま、野球をしている選手たちが続けられるようにすることだと思う。 うちの部活動は選手主導。チームが掲げる目標の一つに「ディズニーランド構想」というものがあります。見学に訪れた方々に、もう一度来てもらえるようあいさつや気配りをすることなどを選手は楽しんでやっている。指導法はそれぞれにやり方があります。私としてはプレッシャーをかけて、野球がつまらなくなる選手を出したくはない。 ■静岡・栗林俊輔監督 中学の部活動は専門の指導者が少なく、硬式のシニアやボーイズなどは部活動に比べてお金がかかる。少年野球でも、親に色々な当番があったりして負担が大きく、野球が選択肢に入らない現状があります。 課題が山積みなのに、野球はサッカーのように組織が一本化されていない。例えば、中学の硬式でもシニア、ボーイズ、ヤングなどリーグが分かれているし、今のルールでは世代間の交流もなかなかできない。危機感はあるのに、「どうしたらいいか分からない」という状態になっています。プロ野球を頂点に、組織を一本化して野球界全体で見直しをしていく必要があると思います。 ■多治見・高木裕一監督 いま、岐阜県多治見市にある中学校9校の軟式野球部には1年生が計17人しかいないと聞いています。休部状態の学校もあるようです。うちの部員は半数以上が軟式出身。危機感は強くもっています。 裾野の拡大につながればと、地元の軟式野球の指導者と高野連が連携した中学生向けの講習会に加わっています。3年前からは小学生を対象とした「ふれあい野球教室」も開催しています。うちの高校に来てくれなくてもいい。その子たちが成長して親や野球の指導者になったときに、地元に還元してくれるような循環が生まれれば、と考えています。 ■報徳学園・永田裕治監督 報徳学園(兵庫) 永田裕治監督 社会人や大学、高校、小中学生が一堂に集まって交流する「ベースボールフェスタ」のようなものができないものかと思う。例えば兵庫県なら、ほっともっと神戸などプロが使う球場で、大学生の選抜チームや社会人の選抜チームが試合をする。それを小学生に見てもらったり、フェスタの中で高校生が小・中学生に野球を教えたり。そういう交流を持つことが、競技の普及や発展につながるのではないか。 ■秀岳館の鍛治舎巧監督 中学硬式のオール枚方ボーイズ(大阪)を長く指導したが、中学野球の二極化を何とかしなければならないと思う。強いチームに選手が集中し、弱いチームは十数人というところもあった。 二極化の要因は、小学生の野球人口の激減が波及したことにあるでしょう。野球を始める子をどう増やすか。チームプレーの楽しさといった、野球の本質的な面白さを教えられる指導者を増やすことが大事です。 小学生や中学生ら年代に応じて指導内容を体系化し、それを踏まえて子どもたちに接していく指導者の養成が必要ではないか。 ■中学野球部の充実は不可欠 有望な小中学生が指導者や設備の充実したシニアなどの硬式チームで己を磨くことは、競技の「発展」にとってすばらしいことだ。 ただ、ある程度費用はかさむ。増えたといっても、硬式チームがない地域に住む人たちもいる。もし、地元の中学に野球部がなければ、あっても部員が少なくて活動が制限されれば、野球が好きであっても離れてしまう子が増えるだろう。それでは、競技人口はますます減る。競技の「普及」にも「発展」にも、中学野球部の充実は不可欠だ。 静岡のエース池谷は静岡県浜松市立積志中の野球部出身。「中学に熱心に指導してくれる先生がいたし、部員も多かった。そうでなければ、シニアに行っていたかも」と言う。 硬式か軟式かより、指導者や一緒に野球をする仲間の存在が大切だ。少子化が進む中、野球に取り組める環境を整えるには、一つの中学単位では無理がある。学区をまたいででも、地域の連携を模索して野球に接する機会をつくって欲しい。(山口史朗) |
格差広がる中学軟式と硬式野球 選抜出場校監督の思いは
新闻录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语
相关文章
亚运会:于元祎不敌日本选手 并列软式网球季军
体が固まりバントできず…昨夏の「魔物」、仲間と克服
中学時代は記録員、野球漬けの日々実り憧れのマウンド
柔道と二刀流球児、カバーし合える野球大好きと知った夏
野球好きは「胎教」効果?1年遊撃手、母はオリンピアン
本州最北端の球児、最後の夏もバイト 野球にかけた3年
球児時代の「とんでもない練習量」財産に 岩村明憲さん
豪雨後、再会は球場で 「当たり前」の喜びかみしめ一打
練習時間の限られた公立校が強豪私立に勝つには?
112年前のスコアブック山形で見つかる 残塁は「S」
銚子商、古豪復活へOBも街も一丸 2年連続の16強
姉と弟、二人三脚の始球式 巨人好きの亡き父への思い
「野球を頑張っていい大人になった」最後のミーティング
遠くの夢、身近に感じて 次世代育てる「離島甲子園」
園児と「野球遊び」伝える楽しさ 少年選手減り普及活動
野球界「けが軽視の土壌」どう改革 持続的発展へ模索
吹奏楽部、自分たちの大会も野球応援も「負けない」
サイン頼まれ「地元に認められた…」 野球留学生の思い
29歳で逝った父の分まで 「親代わり」監督を甲子園へ
人文字4千人で夏100回刻む 高校野球の東・西愛知
身長135センチの元野球部員 「自分らしく」を学んだ
岩手唯一の女子部員「野球できる受け皿、自分でつくる」
硬式部員数15年ぶり16万人割る 減少は4年連続
都高野連ささえ半世紀超 結婚式の祝辞は「辞めないで」
春夏秋ごとに変わるチームメート 野球部員減る岩手















