後部に子どもの絵をラッピング印刷したトラックと宮田博文社長(左)、尾本啓一さん=大阪府高槻市
トラック荷台のコンテナ背面に子どもの絵をラッピング印刷すれば、後続ドライバーがみて穏やかな気持ちになり、事故が減るのでは――。そんな思いから大阪府高槻市の運送会社「宮田運輸」が始めた試みが、共感を呼んでいる。
宮田運輸は保有するトラック130台のうち28台のコンテナ背面に、それぞれの運転手の子どもらが描いた絵を印刷している。
きっかけは2013年8月、原付きバイクと宮田運輸のトラックとの接触事故だった。原付きバイクを運転していた40代の男性が死亡した。事故の一報で男性の搬送先に駆けつけた社長の宮田博文さん(46)は、病室前で男性の父親に、小さな声で言われた。「どっちが悪いとかはよう分からんけど、たった今、息子が命を落とした。息子には小学4年生の娘がいる。それだけは分かっといてくれな」
宮田さんは小さい頃からトラックが大好きで、事故前年の12年、父親から4代目社長を継いだばかりだった。「トラックが悲しみを生む現実を、何とかできないか」。悩んだ宮田さんは、あるメーカーの工場で「ヘルメットをかぶりましょう」などの安全標語を従業員の子どもが書いていることを知り、共感した。自社の安全教育を徹底することはもちろん、自社のトラックのコンテナ背面に子どもが描いた絵を印刷し、他のトラックや乗用車、バイクの運転者に安全を呼びかけようと思い立った。
第1号は14年8月に新調した…
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