昨年10月時点でeBay(右)とヤフオク!に出品されていた日章旗など(有村治子参院議員事務所提供)
戦時中に寄せ書きされた日章旗など元日本兵の遺品がインターネットのオークションで売買されていることから、遺族らの要望でネット上の取引を禁止する動きが出てきた。自主規制で取引禁止を決めたのは、米国のネットオークションサイト「eBay(イーベイ)」。遺品の出品を見つけた場合には削除することとした。
出征の際に家族や友人らが名前やメッセージを寄せ書きした日章旗は、戦地で常に身につけられ、戦死した人の遺品になる。だが、米兵らが戦利品として回収したものもあり、近年はネットオークションに出回るケースが相次いでいる。
日章旗の返還運動に取り組み、元日本兵の遺族と交流を続けている米国の民間団体「OBON(おぼん)ソサエティ」は2013年ごろから、eBayに取引を禁じるよう要望を続けた。米オレゴン州在住で代表のレックス・ジークさん(63)は「遺族の気持ちを考え、売買はやめてほしい」と訴えてきたが、当初は「違法ではない」と反応が鈍かった。
転機は昨年10月6日の参院予算委員会の審議。自民党の有村治子議員がこの問題をただしたのに対し、塩崎恭久厚生労働相が「ご遺族の心情を害する」と答え、オークションの運営業者に対して自主規制を求めた。レックスさんは、このやりとりの動画に英文訳をつけ、eBayの担当者に送付。これが取引禁止に結びついた。
eBayの利用者数はネットシ…