河北省石家荘市に出張に行った当日から隔離されてしまっていた男性・パン大海(仮名、パンはまだれに龍)さんが今月4日、ついに隔離を解除され、帰途に就いた。パンさんが石家荘のホテルに宿泊した期間は実に30日間に及んだ。澎湃新聞が報じた。
1月25日、同僚がこっそり撮影したパンさんの動画が動画プラットフォームで大きな話題になった。その動画には、無精ひげを生やし、目がうつろなパンさんが会社のリモート会議に参加している様子が映っていた。それは石家荘の新型コロナウイルス対策の影響で、パンさんがそのホテルに「閉じ込められ」て21日目の出来事だった。パンさんの様子を目にした上司は、すぐに会議をやめると、パンさんがうつ病になってしまわないように、同僚たちを集めてパンさんと雑談し始めた。そして、すぐに、「思いやり相談室」を立ち上げて、毎日、同僚が交代でビデオ通話をして、雑談するようになった。
「隔離おじさん」と話題になったパンさんが映る動画。画像は動画のスクリーンショット
その日から、パンさんは「隔離おじさん」と呼ばれるようになり、たちまち「時の人」となった。そして、パンさんのアカウント「米多爸」のフォロワーは50万人を超え、約300万個の「いいね!」が寄せられた。なかには、100万個以上の「いいね!」が寄せられた「思いやり相談室」のショート動画もある。フォロワーからは、「全国の人がおじさんの寂しさに注目しているよ」との声が寄せられた。
パンさんとビデオ通話する「思いやり相談室」のメンバー。画像は動画のスクリーンショット
ビデオ通話しながら、パンさんと一緒に食事をする「思いやり相談室」のメンバー。画像は動画のスクリーンショット
それからというもの、パンさんには有り余るほどの話し相手と、返信しきれないほどのメッセージも寄せられたものの、一番したいことはやはり「家に帰る」ことだった。
2月3日午後、石家荘市は「同日から企業活動・操業を全面的に再開する」と宣言した。そして、パンさんは現地での最後のPCR検査を受け、「陰性」が確認された。
2月4日、パンさんは高速道路を使い、帰途に就いた。
1月30日、ライブストリーミングで、中国中央テレビ局(CCTV)の司会者・方瓊さんとコラボレーションするパンさん。画像は動画のスクリーンショット
取材に応じたパンさんは、「『思いやり相談室』やネットユーザーが相手になってくれて、ストレス解消になったか?」との質問に、「実際には、石家荘にいても、それほど恐怖はなかった。昨年新型コロナウイルス感染が拡大した時、僕は吉林省の実家に2ヶ月いた。また、夏ごろに北京の新発地市場で集団感染が発生した時、僕はちょうど豊台区にいたため、家で40日間身動きが取れなくなった。今回の石家荘も同じで、必ず元の生活に戻れると思っていたので、恐怖感はなかった」と話した。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年2月5日