車窓から球磨川を眺めながら特製の駅弁を楽しむことができる=2日、熊本県
JR九州が4日から運行を始める観光列車「かわせみ やませみ」の試乗会が2日、本番と同じ熊本駅―人吉駅間であった。記者が一足先に、およそ2時間の旅を体験した。
熊本走る新観光列車を公開 球磨焼酎楽しむバーも
テツの広場
乗車したのは、緑色の2号車「山翡翠(やませみ)」。車内は沿線のヒノキや杉がふんだんに使われ、木の香りに包まれている。森をイメージした緑色に覆われ、落ち着いた雰囲気だ。
熊本駅を出て約40分。八代駅を出るとほどなく、右手に球磨川が見えてきた。水面は深緑で、1号車の「翡翠(かわせみ)」と同じ漢字の翡翠(ひすい)を想起させる。その景色を眺めながら、車内限定の特製弁当に舌鼓を打つ。郷土料理「つぼん汁」が野菜たっぷりで胃にも心にも優しい。「かわせみ」にはカウンターもあり、月に数回、球磨焼酎酒造組合のメンバーが、焼酎飲み比べセットやプレミアム焼酎を販売する。
客室乗務員に頼めば、球磨川の映像をタブレット端末とバーチャルリアリティー(VR)ゴーグルで楽しむことができる。ゴーグルをつけると、ドローンで撮影した映像が流れ、カワセミ、ヤマセミになった気分だ。球磨川の急流を下るラフティングの映像もおすすめだ。
停車駅では、地元の人から温かい歓迎を受けた。熊本地震からの復興を願う人たちの、新しい観光列車に対する期待感も伝わってきた。(角田要)