北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件で、マレーシア政府は北朝鮮のカン・チョル駐マレーシア大使を国外退去処分にした。両国の関係悪化が決定的になった形で、捜査批判を続ける北朝鮮にマレーシアがさらに厳しい措置をとる可能性もある。
特集:金正男氏殺害
マレーシア政府、北朝鮮大使を退去処分 正男氏事件巡り
「カン大使は、事件を巧妙にごまかそうとしていた」。マレーシア国営ベルナマ通信によると、同国のザヒド副首相兼内相は5日、カン大使に対して4日午後6時から48時間以内に国外退去するよう求めた理由について、そう語った。今回の処分は、外交官に対する受け入れ国の最も厳しい非難を表すものだ。
きっかけは、カン大使が先月17日に報道陣に配布した声明文だ。「北朝鮮をおとしめようとする外部勢力と結託している」などとマレーシアを批判。周到に準備された毒殺と見立てたマレーシア当局の捜査を厳しく批判し、遺体の早期引き渡しを訴えた。
アニファ外相の4日の声明によると、マレーシア側は先月28日以降、カン大使の言動について北朝鮮に文書での謝罪を求めていたが、応じなかったため今回の措置をとったという。
カン大使は現在は発言を控えて…