学校法人「森友学園」(大阪市)が運営する幼稚園と、学園の籠池泰典氏が代表の社会福祉法人が運営する保育園で補助金の不正受給の疑いがある問題で、大阪府の松井一郎知事は17日、刑事告訴を検討していることを明らかにした。
保育園は専従の園長、幼稚園は専従の副園長に対する補助金として、2011~16年度に府と大阪市から約3500万円を不正に受給した可能性がある。松井氏は「(現地での)聞き取り調査とすべての書類を検証し、判断する」と述べ、不正が確認されれば補助金の返還も求めるという。
また、学園が開校を目指した小学校の設置認可をめぐり、松井知事は「校舎の建設費用、人員体制、財政シミュレーション、全てにおいて偽造だったとなれば、その書類で我々は振り回されている」と主張。偽計業務妨害容疑での刑事告訴を検討しているとした。
籠池氏の証人喚問が23日に予定されていることについて、「それでいいんじゃないですか。ものごとがはっきりする」と述べ、「建築費用、契約書の偽造、そこだけは聞いてもらいたい」と求めた。
一方、府教育庁は、21日に予定していた幼稚園への立ち入り調査を延期した。籠池氏から「国会の証人喚問の準備で難しい」と言われたという。