自宅マンションに男児を連れ込んだり、わいせつな行為をしたりしたとして、未成年者誘拐と児童福祉法違反の罪に問われた元小学校教諭、田中耕一郎被告(66)=東京都国立市=に対し、横浜地裁は16日、懲役3年執行猶予4年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。深沢茂之裁判官は「被害者の信用につけ込んだ卑劣な犯行だ」と指摘した。
判決によると、田中被告はインターネットで知り合った当時小学校教諭の橋本顕被告(45)=懲戒免職、未成年者誘拐罪などで公判中=と共謀。昨年4月、当時11歳の男児を「マンションに温泉があるよ」と誘惑し、車に乗せて自宅に連れ込んで、約3時間誘拐した。同年8月には両親から承諾を取り付けたうえで当時13歳の男児を宿泊させ、下腹部を触るなどした。
初犯であることや、被害者のうち示談した1人の処罰感情が強くないことを理由に刑の執行を猶予したという。
神奈川県警は、2人の被告を含む計6人を摘発。所持品からは計168人分の男児の裸の写真や動画など約10万点が見つかったという。6人のうち判決が出たのは初めて。(古田寛也)