日本の中央銀行である日本銀行は10月、2021年にデジタル通貨の実証実験を始めることを発表した。日本銀行は「現時点でデジタル通貨を発行する計画はない」としているが、デジタル化の進展に対応できるメカニズムの構築を推進している。まもなくやって来る日本の「デジタル通貨時代」を前にして、株式会社RSK(以下「RSK」)傘下のブロックチェーン技術サービス業者であるサクラエクスチェンジフィナンシャル(SAKURA Exchange Financial、サービスプラットフォームの略称は「SEFG」)が12月1日、東京で正式に設立された。駐日中国大使館の宋耀明・経済商務公使や、在日中国企業協会の王家馴会長ら各界の代表がSEFG設立当日に花を贈り、祝意を表した。人民網が伝えた。
SEFG設立当日、駐日中国大使館の宋耀明・経済商務公使、在日中国企業協会の王家馴会長ら各界代表が贈った開業祝いの花(撮影・呉穎)。
SEFGの入田康夫社長は、「親会社であるRSKがもともと扱っていた業務分野にも、訪日する外国人観光客と在日中国人への外貨両替などの業務が含まれていた。近年、日本は観光立国の政策を打ち出し、RSK社はいち早く入国のニーズを捉えてそれに対応し、わずか数年で極めて大きな成功を収め、取引量の面で他のライバルを大きくリードしている。世界的な新型コロナウイルス感染症の流行はまだ収束していないが、日本は2021年に東京オリンピックを控えている。訪日観光客や在日中国人、そして日本の顧客向けにより全面的で完備された金融サービスをさらに提供するという理念に基づき、多元化された資産取引サービスをさらに提供し、デジタル金融分野に特化したSEFGがこの時運に応じて誕生した」と説明した。さらに入田社長は、「現金と比べ、デジタル資産の優位性は、保管・輸送コストの削減、透明度の向上、脱税防止に有利などといった点だが、ユーザー情報と資産の安全性の保護などの面では対応をしっかりしなければならない」との見方を示した。
取材を受けるSEFGの入田康夫社長(撮影・呉穎)。
12月1日に東京で設立されたSEFG(撮影・呉穎)。
日本銀行が実施を計画しているデジタル通貨関連の実験では、発行と流通など、通貨に必須の基本機能についての検証が行われる。さらに、デジタル通貨に利息をつけるなど周辺機能を付加し、その実現可能性を検証する。また、所持するデジタル通貨金額の上限を規定し、民間事業者と消費者が実地に参加する形でのパイロット実験も行うかどうかも視野に入れて検討していくという。
将来的な発展について入田社長は、「会社内の中国やその他の国からの人材比率をさらに高め、先進的な技術と思想を融合させることで、より質の高い金融サービスを提供していきたい」とした。入田社長は例を挙げ、「例えば、日本は国土の面積が狭く、細長いため、人口が集中している地域では、それに相応する銀行や商店、コンビニなども集中している。生活にとっては便利だが、それと同時にデジタル通貨の依存性は低くなり、その発展も遅い。しかし世界を見てみると、デジタル通貨分野の発展スピードと効果は誰の目にも明らかだ」と説明。その上で、「そのため、我々はデジタル通貨分野で他国の成功経験を学び、自身の金融体系を改善し、向上させることを強く望んでいる。そしてその次には、SEFGサービスプラットフォームを通じて、日本人や訪日観光客、日本在住の外国人という顧客層だけでなく、全世界の顧客に質の高い金融サービスを提供できるようにしていきたい」と述べた。
また入田社長は、「日本のデジタル通貨関連政策と市場が徐々に成熟した後、それを契機として、日中両国の金融分野がより緊密につながり、両国の共同発展をより促進することを願っている」と語った。
「人民網日本語版」2020年12月7日