稲田朋美防衛相は24日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊の施設部隊に対し、5月末で撤収するよう自衛隊行動命令を出した。2012年1月の派遣開始以来、5年に及んだ活動が終了する。撤収方針は10日に安倍晋三首相が電撃的に発表したが、複数の政府関係者によると事態が動いたのは2月中旬だった。
南スーダンPKO、5月末撤収を命令 稲田防衛相
政府は昨年9月、撤収の検討に入った。その2カ月前、首都ジュバで大規模衝突が起き、数百人が死亡していた。同年10月末までと定められた派遣期間を延長するか決めなければならず、国家安全保障局(NSS)が中心になって「出口戦略」を練り始めた。
ただ「撤収ありき」ではなかった。首相が選択できるように、「派遣継続」と「撤収」の2案がまとめられた。首相はいったん10月の閣議で翌年3月末まで派遣期間を延長。11月には、安全保障関連法に基づく新任務「駆けつけ警護」を次期派遣部隊に付与することを決めた。
複数の政府関係者によると、首相が撤収の意向を固めたのは今年2月中旬。派遣期限が迫る中、首相は同月初旬、現地の自衛隊員に死傷者が出た場合は職を辞する覚悟があるか国会で問われ、「そういう覚悟を持たなければならない」と答弁していた。
事前に漏れれば現地部隊の安全…