パソコン遠隔操作事件で威力業務妨害などの罪に問われた元IT会社員の男(34)=懲役8年の東京地裁判決が確定=の鑑定を手がけた岐阜市の男性臨床心理士が、男の主任弁護人を務めた弁護士を相手取り、鑑定にかかった費用約37万円の支払いを求めた訴訟の判決が29日、岐阜地裁であった。武藤真紀子裁判長は弁護士に約27万円の支払いを命じた。
判決によると、臨床心理士で「こころぎふ臨床心理センター」(岐阜市)の長谷川博一センター長は、主任弁護人だった佐藤博史弁護士(第二東京弁護士会)から連絡を受け、公判中の2014年7~10月に計20回、男と面接して鑑定書を作成。鑑定報酬(面接料15万円、鑑定書作成費20万円)と交通費約2万円を弁護団に請求した。
これに対し、佐藤弁護士は、契約当事者は男やその母親であり、弁護士は代理人に過ぎないことや、面接が不十分で鑑定書も未完成だとして、支払い義務がないと主張していた。
武藤裁判長は判決で、契約の当…