会見で、事故当時の状況を説明する県高体連登山専門部の猪瀬修一専門委員長=29日午後5時32分、栃木県庁、遠藤啓生撮影
栃木県那須町のスキー場付近で登山講習中の高校生ら8人が死亡した雪崩事故で、講習会を主催した県高校体育連盟登山専門部の猪瀬修一専門委員長(50)らが29日、県庁で記者会見した。会見での猪瀬専門委員長の主な発言は以下の通り。
「経験則で雪崩ないと判断」 訓練決行、教諭3人で判断
「雪崩の危険はないと思っていた」 講習会責任者が会見
――登山の中止を判断したのは誰か
私は現場から車で2、3分の本部にいた。現地の副委員長ら2人と話をした。雪は降っているので茶臼岳を目指すのは無理だが、スキー場のところでラッセル訓練はできるだろうと提案を受けた。
――ラッセルができると判断した理由は
雪の量がさほど強くない。風もほとんどない。スキー場に新雪が積もっていたが30センチくらいで、歩行訓練には向いていると判断した。7時半に管理事務所から現場を見た。3人で状況確認をした。雪はぱらぱら、風はない。雪崩の危険はないと確認した。
――最終的に誰の責任でラッセル訓練を決めたか
私が委員長。副委員長らは私より登山経験が長い。3人で話し合って決めたということしか私からは言えない。
――雪崩の危険性は
雪崩が起きやすいところに近寄らないということで大丈夫だろうと。
――雪崩が起きないと思った根拠は過去の訓練か
そうだ。私も1度か2度そこに行ったことがある。
――判断について今どう考えるか
その時には絶対安全と判断した。正直こういう形になって、今現在はその判断が私としては、こういうことになってしまったことを反省しなくてはいけない。