2015年春に発覚した東芝の不正会計問題で同社株が急落し、損失を受けたとして、三井住友信託銀行や三菱UFJ信託銀行など信託銀行11行が、東芝に対し、計約140億円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したことがわかった。提訴は3月31日付。
信託銀行は、年金基金などから資金運用を任され、株式などに投資している。東芝株にも投資したが、15年に同社の有価証券報告書への虚偽記載が発覚し、株価が急落。損失を被ったと主張している。訴訟の直接の原告となるのは、信託銀行から株式関連の事務を任されている日本トラスティ・サービス信託銀行や日本マスタートラスト信託銀行など資産管理銀行4行。
東芝は「訴状を受け取っていないのでコメントできない」としている。
東芝への同様の訴訟は、これまで17件あり、計約300億円を請求されている。昨年には、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が信託銀などを通じて約130億円の損害賠償を求めて提訴したほか、個人株主や機関投資家も東芝を相手取った訴訟を起こした。(真海喬生)