子どもの通学で大人が注意する点は?
桜も咲き誇り、小中学校で入学式や始業式のシーズン。しかし、通学路ではこの3カ月、中学生以下の子どもが交通事故に遭うケースが相次いだ。各府県警は「春の全国交通安全運動」(6~15日)で通学路の安全対策などを重点目標に掲げ、地域住民らと連携して見守り活動や取り締まりを強化。専門家は「大人は子どもの目線に立ち、具体的に危険箇所を伝えることが大切だ」と呼びかける。
特集「小さないのち」
■新1年生入学「特に入念に」
「車が来たで、止まりや!」。大阪市立大国(だいこく)小学校(同市浪速区)の通学路では、「大国子ども見守り隊」のメンバーが普段、そんな声かけをしながら児童に注意を呼びかけている。16年間活動を続ける代表の寺田守さん(78)は「新1年生が入学するこの時期は、特に入念に見守っている」と話す。
下校時間帯になると、60~80代の30人以上のメンバーがそろいのジャンパーを着て、交通量の多い交差点など7カ所に立つ。低学年の子どもたちは、別のことに気を取られて道路に飛び出してしまうこともあり、特に注意が必要だという。
今年度も10日の新学期のスタートとともに、寺田さんたちは見守り活動にあたる。
大阪府警によると、府内で1~3月に登下校中の事故でけがをした子どもは昨年の同じ時期に比べて10人多い42人だった。小学校低学年(1~3年)の児童が16人で、約4割を占めた。今年2月には、同府能勢町の府道で横断歩道を渡っていた当時小学1年生の男児2人と同6年生の女児の計3人が車にはねられ、大けがをする事故があった。
関西のほかの府県でも登下校中の事故が目立つ。
和歌山県では1~3月、昨年同時期の倍の14人が事故に遭って負傷した。京都府、滋賀県、兵庫県でも事故によるけが人が減らない。交差点やその付近での事故が多いという。大阪府ではけがをした小学生(23人)のうち、16人が横断歩道や道路を横断中だった。