「こども保険」構想について説明する自民党の小泉進次郎氏=29日午後、同党本部
自民党の小泉進次郎・農林部会長ら同党の若手議員でつくる「2020年以降の経済財政構想小委員会」が29日、保育や幼児教育を無償にするための「こども保険」を創設する提言をまとめた。今の社会保険料に上乗せして資金を集める仕組みだ。党内に浮上している「教育国債」の対案で、教育無償化の財源を巡る議論が活発化しそうだ。
「子どもたちのことを社会全体で支えるというメッセージをしっかり伝える」
小泉氏はこの日の小委員会後の記者会見でこう述べ、6月に政府がまとめる「骨太の方針」にこども保険案を反映させ、早期の実現をめざす考えを示した。
こども保険案はまず、企業と従業員が支払っている厚生年金保険料の料率にそれぞれ0・1%ずつ上乗せして保険料を徴収。30代の年収400万円の世帯で月240円程度加算される。自営業者は国民年金に月160円程度を加算することを想定。年3400億円の財源が生まれ、未就学児への児童手当を1人当たり月5千円増額できるという。
次に、この保険料率を段階的に各0・5%まで引き上げる。年収400万円の世帯で月1200円程度、同様に自営業者は月830円程度の負担増になるが、財源は年1兆7千億円に達し、児童手当は1人当たり月2万5千円増額できる。保育園や幼稚園の平均保育料は月1万~3万円程度のため、今の児童手当と合わせて幼児教育の実質無償化が実現する計算になる。
こども保険料を引き上げる一方…