警察官が警戒するなか、登校する児童たち=5日午前8時8分、千葉県松戸市、池田良撮影
千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年レェ・ティ・ニャット・リンさん(9)が通っていた市立六実第二小学校で5日、始業式があった。2~6年生の児童約190人にとっては、遺体で見つかったリンさんが行方不明になった3月24日の修了式以来の登校。子どもたちは父母や祖父母らに付き添われ、緊張した面持ちで学校に向かった。
新学期を迎え、同校は午前7時40分~8時20分だった登校時間帯を半分に短縮し、8時から20分間の集中登校に切り替えた。児童が1人や少人数で歩く時間を少しでも減らす狙いという。住民らの見守り活動も強化され、この日は教職員も通学路に立った。校門前では制服姿の警察官が警戒し、8時の開門を前に20人以上の児童と保護者が並んだ。
5年生の男子児童は近所の子どもと母親ら約15人で一緒に登校した。この男児の母親は「当分は付き添いができる保護者と一緒に子どもを送ろうと思う」。3年生の娘を通わせる母親は「自宅の周りには子どもが住んでいないので、娘は集団で登校できない。毎日毎日、不安です」と話した。
1年半ぶりに通学路に立った住民の男性(70)は「事件を機に見守り活動を再開した。犯人が許せない」と語気を強めた。
始業式ではリンさんに黙禱(もくとう)を捧げ、伊東隆志校長が「リンさんは、学校のお友達、先生方、地域の皆さんの心の中にずっと生きています」と話した。(川嶋かえ、荒ちひろ、青柳正悟)