武田薬品工業の長谷川閑史会長=林敏行撮影
武田薬品工業は13日、長谷川閑史(やすちか)会長(70)が6月下旬の株主総会で退任し、相談役に就くと発表した。後任の会長は当面置かない。退任は本人の意向で、「クリストフ・ウェバー社長による経営が軌道に乗ったため」(同社)という。同社のグローバル化を進め、財界では経済同友会代表幹事として存在感を示した。
長谷川氏は2003年、創業家出身の武田国男氏を引き継いで社長に就任。「世界に取り残されないため、グローバル化が最良の戦略」と海外市場の開拓に注力した。米医薬品ベンチャーのミレニアムを9千億円で、スイスの医薬品メーカーのナイコメッドを1・1兆円で買収するなど、規模拡大を進めた。
海外の製薬会社からスカウトした人材を主要部門の責任者とし、14年にはフランス人で英製薬大手グラクソ・スミスクライン出身のウェバー氏に社長の席を譲った。
武田薬品の売上高は、長谷川氏…