朝日新聞社が新たに導入したヘリコプター、イタリア・レオナルド社製フィンメカニカ式AW169型。愛称は「あかつき」
朝日新聞社が新たに導入したヘリコプターの命名式が13日、東京・羽田空港の朝日新聞社航空部格納庫で開かれた。愛称は3千通を超える読者公募の中から「あかつき」に決まった。
特集:朝日新聞航空部とは
命名式には、航空業界や新聞社、テレビ局などから約100人が出席。安全祈願のあと、愛称が公表された。
「あかつき」について、朝日新聞社の渡辺雅隆社長は「『明るくなってくる頃』『待ち望んでいたことが実現するとき』などの意味がある。希望や明るい未来のために情報発信していく大きな力となるように、という思いを込めた」と紹介した。「あかつき」の揮毫(きごう)をしたのは、兵庫県西宮市在住の書道家・酒匂渓香(けいか)さん。
■羽田―函館、ひとっ飛び
「あかつき」はイタリア・レオナルド社製のフィンメカニカ式AW169型。本来は10人乗りだが、中継装置など報道機材を積んだため8人乗りに改修した特別仕様だ。大阪(伊丹)空港に常駐し、各地の航空取材に出動する。航続距離は約800キロで、羽田から函館まで、伊丹から種子島まで、福岡からなら与論島まで給油せずに飛べる能力がある。
コックピットのディスプレーには、地形だけでなく、ビルなどの人工構築物も映し出す「シンセティックビジョン」を採用。地面や障害物に接近すると警報を発する装置を装備し、悪天候や夜間でもより安全にフライトできる。
機体には防振装置付きリモートカメラとテレビ中継装置を搭載している。テレビ局の航空取材にも対応できるヘリを新聞社が導入したのは国内初だ。朝日新聞社は今春、朝日放送(本社・大阪市)と契約を締結しており、朝日放送専用のヘリが点検などで使えない期間は、「あかつき」がその代替機として空撮などを請け負う。
朝日放送の脇阪聡史社長は式典で、「新聞とテレビの協業のきずなはますます強くなっている。この『あかつき』から読者・視聴者をひきつける魅力のある映像、人々の役に立つ映像を送り出していくことを願う」とあいさつした。