東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却を巡り、米半導体大手ブロードコムを核とした日米連合案が浮上した。政府や経済界には、中国などへの技術流出の懸念が強い。政府系金融機関が米企業とタッグを組んで阻止につなげたいとの思惑がある。
東芝半導体の売却先、日米連合案が浮上 政投銀など出資
政府は、東芝の半導体技術が企業や官公庁のデータセンターなどに使われており、安全保障に関わる重要技術とみる。このため中国・台湾企業への売却は外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく勧告などで防ぐ構え。日本勢で東芝メモリを支援しようと、経済産業省が主導して複数の日本企業などから資金を集め、共同出資する案も出ていた。
ただ、東芝メモリの売却先候補で、中国に近い台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業も、傘下のシャープのほか、ソフトバンクグループや米アップルといった日米の企業に共同出資を呼びかけて急速な巻き返しを図っている。対抗策として、ブロードコムを中心にして、政府系の産業革新機構、日本政策投資銀行などとの日米連合の必要性が高まっていたとみられる。
革新機構の志賀俊之会長(日産…