池田勇人、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一という4人の首相が輩出した自民党の名門派閥「宏池会」が創立60周年を迎え、19日に記念パーティーを開く。岸田文雄外相が会長となって4年半。安倍晋三首相の1強が続く中、「5人目の首相」への道のりはなかなか見えてこない。
「歴史を振り返りながら未来に向けて、私たちがどうあるべきなのかを考える良い機会にしたい」
岸田氏は18日の記者会見で、パーティーに臨む心境を語った。宏池会は1957年6月、吉田茂元首相直系の池田氏が創設。軽武装・経済優先を基本に長く保守本流と言われてきた。現在は46人の第3派閥。宮沢氏が退いた93年以降は分裂もあり、首相の座は遠い。
岸田氏の基本戦略は、外相として支えてきた安倍首相の後継をめざし、今は党内各派と良好な関係を保ちながら時を待つというものだ。15日のテレビ番組では「安倍首相の時代もいつかは必ず終わる。その後、もし何かできることがあれば考えてみたい」と述べた。来年の総裁選は党則改正で3選への立候補が可能となった首相の出馬が有力。安倍首相と戦ってまで政権を奪いにいく気はない。
今年初めには、派閥として政策…