豪華寝台列車「四季島」の展望車=関田航撮影
JR東日本が5月1日から運行を始める豪華寝台列車「トランスイート四季島(しきしま)」の報道向けの試乗会が26日午前に開かれた。展望車の大きな窓からは都会から田園へと変わりゆく風景が一望できた。車両には揺れや震動を抑える技術を複数採用され、快適な乗り心地だった。
【パノラマ写真】豪華寝台列車「四季島」の試乗会
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午前9時5分、上野駅の13番ホーム。かつて東北・北海道方面の寝台列車が使用していた場所に、淡い金色のボディーの四季島が入線した。試乗会があることは一般客には知らせていない。突然の豪華列車の登場に驚いて、携帯電話のカメラで撮影する人もいた。
四季島は1号車と10号車が展望車。6両ある客室(定員34人)のうち5両がスイート(15室)で、1両が「デラックススイート」(1室)と最高級の「四季島スイート」(同)だ。ラウンジとダイニングが各1両ある。
発着はすべて上野駅。13番ホーム上に、入線を待ったり旅を終えた後にくつろいだりできる乗客専用のラウンジが新設されている。13番ホームと14番ホームの間に設けた専用のエントランスを通り、5号車のラウンジカーから、いよいよ乗車だ。
乗車前、報道陣にはJR東日本の担当者から警察の鑑識課員らが現場でつけるような足カバーを渡された。そう、真新しい車体、汚してはいけない。
この日の試乗は宇都宮駅までの約1時間40分。上野駅を午前9時34分に発車した。
まず、先頭10号車の展望車に向かった。両側の壁から天井までは、三角形の大きなガラス窓が組み合わされて開放感がある。緑色のじゅうたんが敷かれ、景色を楽しむための真っ白な1人がけソファ4脚とロングソファ1脚が配置されていた。
ビルや住宅の密集地を抜けると、荒川河川敷の新緑が目に飛び込んできた。大宮駅を過ぎると、車窓は関東平野の田園風景に様変わり。JR東営業部の高橋敦司・四季島担当部長は「函館の日の出や日本海の絶景など、おすすめはたくさんある。移りゆく風景を楽しんでほしい」と話す。
7号車の最高級客室「四季島スイート」に入った。壁面には和紙や木を使用し伝統的な「和」を意識。広さ約20平方メートルのメゾネットタイプで、1階がツインのベッドルーム、2階は畳敷きで掘りごたつがある。室内は真新しい木の香りがした。ひのき風呂も備え、湯船横には大きな窓がある。四季折々の風景を楽しみながら、ゆったりとお湯につかることができそうだ。
ダイニングは6号車。中央で高…