事件があった市営住宅=3日午後、愛媛県今治市、藤井宏太撮影
3日午前9時ごろ、愛媛県今治市室屋町7丁目の市営住宅で、「背中を切られた人がいる」と110番通報があった。今治署員が駆けつけると、1階の無職岡本久行さん(70)方で、久行さんと母親のユキヱさん(92)が血を流して倒れていた。病院で治療を受けていたが、ユキヱさんは約8時間後に死亡し、久行さんも重傷。久行さんは「知らない女に切りつけられた」と話しており、県警は殺人事件として捜査している。
男女2人刺され重傷「見知らぬ女に」 愛媛の市営住宅
現場の南西約400メートルの民家では先月26日、刃物による刺し傷がある別の女性(81)の遺体が見つかっている。切りつけられた可能性がある複数の傷があるなど状況に類似点がみられることから、県警は二つの事件の関連についても調べている。
県警によると、岡本さんは2人暮らしで、発見時、岡本さんが玄関前でユキヱさんが室内で倒れていた。室内から凶器とみられる血の付いた刃物が見つかった。岡本さんは部屋に侵入してきた女に切られた後いったん外に出て、市営住宅のそばを通りかかった男性に110番通報を依頼したという。その後、室内に戻ろうとして玄関で倒れたとみられる。女は中年だったという。顔にタオルを巻いていたとの情報もある。
今治市によると、事件のあった市営住宅は2015年に完成した鉄筋コンクリート5階建てで、30世帯が入居できる。市営住宅の入り口はオートロックではなく誰でも入れる。岡本さんは市営住宅の建設前からこの土地にあった市営の民家に住んでいたという。