石原さとみ=篠塚ようこ撮影
ドラマ「高嶺の花」に主演の石原さとみさん
「あー、きた!」石原さとみさん、憧れだった野島作品に
石原さとみ「知らない自分に会える」 4年ぶりの舞台
アイメイクは強く。チークは控えめに。才色兼備の華道家の勝ち気さを表した。
メイクは役作りの一部。自ら考え、整える。
「キャラクターのパーソナルな部分が表れるのって、女性はやっぱりメイクやファッション。それは0を1にする作業で、どう形作っていくかは自分次第」
名家の令嬢と凡夫の恋を描く日テレ系のドラマ「高嶺(たかね)の花」(7月11日から水曜夜10時)で、主人公の月島ももを演じる。家も富も才も美も、非の打ちどころがない女性だが、心から愛した婚約者に二股をかけられ、結婚式の当日に縁を切られる。プライドを引きちぎられ、嘲笑の的になったドン底で、自転車屋の直人(峯田和伸)と出会い、2人の「格差恋愛」が始まる。
脚本は「101回目のプロポーズ」や「高校教師」で知られる野島伸司が手がけた。
台本を手にしたときは、震えがきた。野島のラブストーリーに出ることは、長年の憧れだったからだ。
どこにでもいそうな男の真っ当な言葉が、ももの心を動かす。それまでに出会ってきた言葉の違いに、2人の「格差」が表れるという。
「刺さるような、考えさせられるような、そして答えが出ないような、『野島節』のセリフがたくさんある」
自尊心の裏で、孤独を抱え愛に飢えた女性を演じ、考えたのは「自立」について。
「ずっと何かのせいにして生きてきた時期もあった。でもそこから脱出したくて。自分に負けないっていうのを課すようになってから、逆に生きやすくなったんです」
31歳。素顔は飾らない。(文・真野啓太 写真・篠塚ようこ)