1日に始まった核テロ対策国際会議で基調講演する薗浦健太郎・外務副大臣=東京都港区
核物質の窃盗や悪用、原子力施設への攻撃などを防ぐ技術や情報を共有する「核テロ対策国際会議」が1日、東京都内で始まった。核物質の検知や押収した核物質の出所を調べる核鑑識技術について、各国が過去2年間の活動を報告しあい、今後の方向性について議論を交わす。
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米国とロシアが共同議長を務め、イスラエルやインド、パキスタンといった核不拡散条約(NPT)非締約国、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)を含む73カ国と四つの国際機関の高官ら計約200人が参加した。日本での開催は初めてで、会議は2日まで。
基調講演で薗浦健太郎・外務副大臣は、2020年の東京五輪に向けて「人材育成などの取り組みを通じ、国際社会の核セキュリティー強化に関与していく」と述べ、日本の核テロ対策の取り組みをアピール。核テロ対策強化を歓迎するトランプ、プーチン両大統領のメッセージも紹介された。会議終了後、参加者は茨城県東海村の日本原子力研究開発機構(JAEA)の施設の視察を予定している。
会議は06年の主要国首脳会議(G8サミット)で、当時のブッシュ米大統領とロシアのプーチン大統領が提唱したのが始まり。関係が悪化している米ロが協調する貴重な場で、10回目を迎える。(下司佳代子)