東海道新幹線の遅延の影響で、車内で一夜明かす乗客たち=22日午前3時33分、JR東京駅、北村玲奈撮影
21日午後7時55分ごろ、大阪府高槻市の東海道新幹線の下り線で架線が切れ、東海道・山陽新幹線の京都―新神戸間の上下線が停電し、運転を見合わせた。22日午前1時前に復旧したが、この影響で長時間にわたって東海道・山陽新幹線はほぼ全線で運転を見合わせたり、大幅に遅れたりした。
新幹線の架線が切れるのは異例。JR東海・西日本によると、停電発生時に京都―新神戸で少なくとも上下10本が駅間などで立ち往生した。断線のあった京都―新大阪の下り線では6本が立ち往生し、JR東海は、新大阪発の上りの「救援列車」を走らせ、立ち往生した一部の列車に横付けし、乗客に乗り換えてもらって京都駅まで運ぶ作業を進めた。京都駅では「列車ホテル」が用意された。
JR東海によると、断線したのは複数の架線のうち車両の集電装置「パンタグラフ」と接するトロリー線。トロリー線が断線すると、列車は現場を走行できなくなる。ただ、ほかの架線からは電気が流せるため、列車内の明かりはつき、空調やトイレも使えたという。