忘れ物の傘を保管する名鉄名古屋駅の倉庫。担当者は「梅雨が本格化すると、どっと増えますよ」=名古屋市中村区
梅雨の季節。電車内や駅で傘の忘れ物が増える時期だ。鉄道各社の間で最近、自社で忘れ物の傘を預かる期間を延ばす動きが出ている。忘れ物を預かる警察署のスペースが圧迫されてきたためだ。
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阪急電鉄は今月から保管期限を2週間にした。ただし、2週間たったら傘は売却・廃棄する。これまでは梅田駅(大阪市)の「お忘れ物センター」で3日間保管。その後、警察署に持ち込み、持ち主が現れずに3カ月過ぎたら、引き取って売却・廃棄していた。
今回、梅田駅構内で倉庫にしていた部屋の一部を、傘の保管場所にした。阪急広報は「利用者は駅で受け取れるし、警察署は預かる忘れ物を減らせる。うちも署に持ち込んだり引き取ったりする手間が省ける。三方良しです」。
遺失物法は、落とし物は拾得から1週間以内に最寄りの警察署に届け出るよう定める。ただ、2007年の法改正で、公共交通機関や百貨店といった忘れ物を多く扱う事業者は自社倉庫などで保管できるように。傘や衣類など安価な物は、2週間で処分できるようにもなった。
忘れ物を預かる警察署の保管場…