オリックスに入団したマレーロ(右)。恋人デミさんを伴って6月1日に記者会見した
9日、京セラドームであったプロ野球セ・パ交流戦オリックス―中日で珍プレーがあった。シーズン途中でオリックスに加入し、この日1軍登録されたばかりのマレーロに一発が飛び出たはずだったが……。幻に終わった。
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「1番、右翼手」で先発したマレーロは、1点を追う五回無死一塁、中日・小笠原の変化球を振り抜いた。打球は一直線に左中間へ伸びてスタンドへ。28歳は、両手をたたきながらベースを一周し、ベンチでは仲間と大喜びでハイタッチしていた。
が、ここで中日側から本塁を踏んでいないとアピールがあった。審判団の協議の結果、マレーロの踏み忘れが認められ、本塁打は三塁打に。マレーロはアウトになった。試合後、「何を聞かれるかわかっています」と苦笑いで報道陣の前に現れ、「自分では踏んだ感覚があった。こんなの初めて。でもチームが勝つのが最終ゴールだったのでいろいろあったけどよかった」。延長戦をサヨナラ勝ちでものにし、胸をなでおろした。
5月に球団の月間最多敗戦記録の「19」に並んだチームの得点力をあげるため、5月末に加わったマレーロ。今季は大リーグ・ジャイアンツで15試合に出場し、球団からは長打力を買われていた。100点満点の滑り出しだったが、思わぬ落とし穴が待っていた。
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〈幻の本塁打〉 ベースの踏み忘れは、1958年の長嶋(巨)が有名で、一塁を踏み忘れた。81年のガードナー(広)は本塁を踏まなかった。最近では2006年、巨人の李承燁がロッテ戦の三回2死一塁で本塁打を放ったが、一塁走者の小関が三塁を踏んでおらず、アウトになった。李承燁の本塁打は安打になった。走者を追い越して取り消されるケースも。04年、日本ハムの新庄がダイエー戦の同点の九回、サヨナラ満塁本塁打を放ったが、一塁走者と抱き合った際に追い越してしまい、サヨナラの単打扱いとなった。