26日午前9時半から対局を生中継したインターネット放送局「アベマTV」。視聴数(接続した延べ人数)は午後9時すぎに610万を突破した。2月に始まった「将棋チャンネル」のこれまでの最多視聴は、同局が今月15日に放送した藤井四段が瀬川晶司五段を破り26連勝した際の144万7千だった。担当者は「ダントツの1位。藤井四段の注目度の高さがうかがえる。最終的にどこまで伸びるか想像もつかない」と話した。
将棋の藤井四段、新記録の公式戦29連勝「幸運だった」
藤井四段の地元、愛知県瀬戸市では、自分のスマホ画面で応援する「パーソナルビューイング」が開催され、ファンら延べ約100人が訪れた。企画した瀬戸市のコミュニティーFM局「ラジオサンキュー」の牧治社長(61)は「パブリックビューイングは申請が必要で時間がなかったが、応援を形にしたかった」と話した。
29連勝達成の瞬間、会場の約20人が万歳。仕事が休みで午前10時前から詰将棋を解きながら対局を見ていたという瀬戸市の井上輝彦さん(31)は「攻めるときは徹底していて恐ろしさを感じた。地元からすごい人が出てくれてうれしい」。
瀬戸市の中学に通う伊藤あいりさん(14)は「同い年なのに落ち着いていて尊敬してます」と話した。
幼少から藤井四段が通った「ふみもと子供将棋教室」の文本力雄さん(62)は「本当に素晴らしい結果。日本中の皆さまの応援の気持ちのたまものではないか」と話した。29連勝したことについて、「思ってもみなかった。私もそうだが、聡太自身、通過点の一つと考えていると思う」と話す。今後の連勝記録更新については、「臆測などはしない。静かに見守っていきたい。今まで通り、これからも『盤上没我』の気持ちで頑張ってほしい」。
29連勝を受け記者会見した瀬戸市の伊藤保徳市長は「心から喜んでいる。お祝いと感謝の言葉を捧げたい」。27日夕、市役所本庁舎に「快挙」などと記した懸垂幕を掲げる予定だ。