大阪府議会の参考人招致のため府庁に到着した森友学園前理事長の籠池泰典氏=10日午後0時14分、大阪市中央区、井手さゆり撮影
学校法人「森友学園」(大阪市)が開校を目指した小学校の設置認可などをめぐり、大阪府議会は10日午後、本会議に籠池泰典・前理事長を参考人招致した。籠池氏が府議会で説明するのは初めて。府の設置認可手続きの経緯や補助金不正受給疑惑などについて質疑される見込みで、籠池氏から新たな証言を得られるかが焦点となる。
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本会議で、籠池氏は「疑念を生じさせたことはおわび申し上げる。自分の知りうる限りにおいて誠実にお答えする」と述べた。この後、大阪維新の会、自民党、公明党の3会派が籠池氏に質問する。
学園の小学校をめぐっては、学園側の要望を受け、2012年に府が私立小学校設置の認可基準を緩和。14年12月の府私学審では学園の財務状況などに疑問の声が上がり、継続審議としたが、15年1月の臨時の私学審で一転して条件付きで「認可適当」と答申された。維新は籠池氏に対し、当時の経緯などを尋ねた。
一方、学園は小学校建設にあたり、金額の異なる複数の契約書を作成。系列の幼稚園の教員数と障害のある園児数に応じて交付する府の補助金計約6200万円を不正に得た疑いなどもあり、大阪地検特捜部が詐欺容疑などで捜査している。ただ、これらに関しては、籠池氏は、刑事訴追に関わる内容として答えず、「時間の無駄」などと応じた。
籠池氏の参考人招致をめぐっては、自民が松井一郎知事への批判材料になるとみて3月に招致を打診。この時は籠池氏に断られたが、その後、衆参両院の予算委員会が籠池氏の証人喚問を実施。自民が求めた府議会の特別委員会(百条委員会)設置は維新、公明の反対で否決されたが、その後、3会派が合意し、この日の参考人招致が実現した。