自治体が待機児童に含めない例
希望する認可保育園に入れなかったのに待機児童にカウントされない「隠れ待機児童」は、昨年4月時点で全国に6万7354人いました。最も多いのが、「特定の施設のみを希望した」と自治体が判断した場合で、3万5985人と半数を超えています。
隠れ待機児童ワースト10の自治体は 数え方にからくり
この「特定の施設のみを希望した」というのは、どういうケースなのでしょうか。朝日新聞が主な自治体に判断基準を聞いてみました。
例えば、東京都港区は「きょうだいバラ不可」と回答しました。紹介された保育園が兄や姉と同じ園ではないことを理由に入園を断ってくる場合です。こうしたケースを待機児童に含めない自治体は多くみられました。自治体にとって、保護者が「きょうだい同園」を希望することは「わがまま」だと捉えている側面もあるようです。
再開発が進み、タワーマンションが多く立ち並ぶ川崎市の武蔵小杉駅周辺に住む女性会社員Aさん(40)は、今年3月まで長男(5)と次男(2)が別々の保育園に通っていました。
昨年4月の入園に向けた次男の保活では、長男の通っている認可保育園と、自宅近くの認可保育園の計2園に限って申請しました。「2人を別々に送迎するのは負担が大きい」という思いからでしたが、2園とも当選しませんでした。
Aさんは次男を認可外保育園に預けることになりました。
毎朝、まず自宅から歩いて15分ほどの場所にある認可外保育園に次男を送り、そのあと25分ほどかけて長男の認可保育園に向かいます。出勤のため利用している最寄り駅までは、大人の徒歩で15分ほどの距離にあります。それが、長男と次男を送ってから駅に着くまでは、毎朝1時間ほどかかっていたそうです。
この4月からは、長男が通う保…