終業式を終え、教室で通知表を見せ合う児童たち=20日午前、大阪市阿倍野区、加藤諒撮影
近畿各地の公立学校で20日、1学期の終業式があった。大阪市阿倍野区の阪南小学校(児童数745人)では、大西昌樹校長が「夏休みは運動や手伝いをして、1日1回は大粒の汗をかいて元気に過ごしてください」と呼びかけた。
1年生の教室では、児童が初めての通知表を手渡しで受け取った。担任の細川真希教諭から「この欄に丸がある人は友達と仲良くできた人です」などと説明を受けていた。前田理仁君は「1学期は鍵盤ハーモニカをがんばった。夏休みはサッカーの合宿が楽しみ」と話した。
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福岡、山口両県の多くの小中高校で20日、1学期の終業式があった。福岡県うきは市の市立大石小学校では式前、九州北部豪雨の犠牲者に黙禱(もくとう)が捧げられた。
隣接する朝倉市から通う縄田淳一校長(57)は「朝倉の小学校では、このような終業式を迎えられなかった。当たり前の生活を幸せだと感じる心を持ってほしい」と呼びかけた。縄田校長の自宅近くは濁流が押し寄せ、多くの家が流された。自宅は今も断水し、亡くなった知人もいる。
教室に戻った児童らは、担任から通知表を受け取った。舎川(とねがわ)桃子さん(7)は「1学期はあいさつを頑張った。2学期は漢字を頑張ります」。上村一護(いちご)さん(7)は「夏休みは友達と能古島で泳ぐのが楽しみ!」とうれしそうだった。
この日は、児童の代表が、校内で募って集めた約9万円をうきは市社会福祉協議会長に手渡した。今後、共同募金会を通じ、県内の被災地に送られる。(山下知子)