民進党は1日の常任幹事会で、蓮舫代表の後継を選ぶ代表選について、地方議員や党員・サポーター(約23万人)も参加する形で21日告示、9月1日投開票の日程を決めた。枝野幸男元官房長官(53)と前原誠司元外相(55)の一騎打ちの公算が大きいが、激突を回避するための一本化論や3人目の候補擁立を模索する動きも出ている。
「いま解散を打たれたらどうするのか」
野田佳彦幹事長が代表選日程について提案すると、会議の出席者からは異論が相次いだ。安倍内閣に対して憲法に基づく臨時国会の召集を求めていることを踏まえ、「代表選をやっている場合ではない」との懸念の声も上がった。岡田克也前代表も早期の代表選出を求めたという。
任期途中で代表が欠けた場合の代表選は、国会議員だけの投票で決める方法から、党員・サポーターも含めた投票まで複数あるが、投票権がある人が多くなるほど日数もかかる。野田氏は「サポーターも含めた方が正統性が増す」として理解を求めた。臨時国会は現執行部で対応し、衆院解散があった際は急きょ短縮して代表を選ぶ手続きに切り替える方針も示した。
党内リベラル派が支持する枝野氏と保守派が推す前原氏の一騎打ちの公算が大きくなっていることも、早期決着論を後押ししている。両派の対決は、憲法や野党共闘のあり方などをめぐって対立を先鋭化させ、「党の分裂に発展する」(中堅)可能性が否定できないためだ。
枝野、前原両氏をよく知る議員の一人は「どうしたってしこりは残り、代表選はマイナスでしかない」と話し、両氏の立候補一本化に期待を寄せる。若手の間にも一本化で選挙戦の回避を模索する動きが出ているが、枝野、前原両陣営は否定的だ。一方、旧維新の党出身の江田憲司代表代行の議員グループの会合では「民主党政権時代の古い顔ぶれの戦いでいいのか」との声が上がり、「第3の候補」の擁立を目指す方針を確認したが、立候補に必要な20人の推薦人確保のメドは立っていない。