多くの人にとって、起床は本性との戦いだ。自然に目覚めるのと目覚まし時計で目覚めるのは、完全に異なる睡眠体験だ。ロシアでこのほど行われた新たな研究によると、間違ったアラーム音で健康に悪影響が生じる可能性があるという。生命時報が伝えた。
ロシアの睡眠専門家チームによると、アラーム音の間違った選択により気分が害されるほか、体内のコルチゾールの分泌が促進され、健康に悪影響が出る。それに対し、自分の気持ちに基づき「マッチしたアラーム音」を選択した被験者は、精神状態が明らかによいことが分かった。
研究結果によると、アラーム音の選択は自身のその時の精神状態を考慮すべきだ。
気持ちがふさぎがちな人は愉快でテンポの良いアラーム音が最適だ。
ストレスがたまっている人は、落ち着いたメロディのアラーム音が最適な選択だ。
研究では他にも興味深い現象が確認された。鳥の鳴き声や滝の音といった大自然の音はアラーム音に適していないという。これらの音が柔らかすぎ、熟睡した人の目を覚ましにくいからだ。このようなリラックス効果のある音楽は寝る前に適している。
スムーズに起床するため、アラームを数回にわけて鳴るように設定する人はいるだろう。起きる苦しみを和らげ、一時的にアラームが停止した後にもう一寝入りし、ベッドでのひとときを楽しめるからだ。
しかし、米国の科学技術系ウェブサイト「Pacific Standard」によると、アラーム音が鳴った後に再び寝直してはいけない。さもなければ、休息の効果がよくないばかりか健康を損ねてしまうという。
アラーム音が鳴ると、人体はアドレナリンとコルチゾールを分泌し、睡眠サイクルを終わらせ体を目覚めさせる。再び眠ればホルモン分泌に影響が生じる。何度もアラーム音で目を覚ませば体内時計が混乱し、起きるのに余計に時間がかかる。これが長期化すれば起きた後に倦怠感、めまいが生じ、無気力になる。このように途切れ途切れで眠るぐらいならば眠らないほうがましだ。
気持ちよく自然に目覚めるにはどうすべきだろうか。
◆眠りにつく時間の調整
睡眠の1回のサイクルは90分だ。7時間半の睡眠を確保するにはこのサイクルが5回必要だ。米国の睡眠専門家のマイケル・ブルース博士は、「眠りにつく時間=起きる時間−7時間半」というシンプルでほぼ完璧な公式を掲げた。
まず目覚める時間から計算する。例えば朝の5時半に起きるならば、夜10時に眠らなければならない。
◆寝る前にカーテンの隙間を空ける
翌日の自然光で熟睡した体を目覚めさせる。これは人体が自然光に本能的に反応するからだ。自然光の目覚まし効果は時計に劣らず、そして時計のような急な刺激をもたらさない。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年12月8日