栄の路地裏で66年 小料理屋「八幡屋」あす閉店——贯通日本资讯频道
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栄の路地裏で66年 小料理屋「八幡屋」あす閉店

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20年以上通ってくれた常連客の男性にあいさつする妻の松子さん。「お互い元気でがんばろうね」と男性客は高間夫妻に声をかけ、店を後にした=名古屋市中区栄3丁目


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名古屋・栄の路地裏で、東海地区最大の繁華街の変遷を見続けてきた小料理屋「八幡(やわた)屋」が25日、66年の歴史に幕を閉じる。多くの著名人も訪れた老舗だが、店主の高間敏夫さん(75)、松子さん(73)夫妻は体力の衰えを感じ、閉店を決めた。「長い間お疲れ様」「まだ早すぎる」――。常連客からは閉店を惜しむ声が上がる。


22日夜、名古屋市中区栄3丁目にある店の1階カウンターとテーブル席は9人の常連客で埋まった。「お疲れ様。乾杯!」。敏夫さんと同じ小学校に通った青山英夫さん(74)は持参したワインでねぎらった。「閉店はさみしいけど、これから敏夫と一緒にゴルフして遊びます」と笑った。


八幡屋は1951年、敏夫さんの父秀吉(ひできち)さんが始めた。広島・江田島の海軍兵学校で終戦を迎え、故郷・名古屋に戻った。海軍で料理を作った経験を生かし、「栄銀座」と呼ばれるプリンセス大通と住吉通を結ぶ東西約90メートルの路地の並びに店を開いた。


当時は、すし屋、天ぷら屋など十数軒の飲食店が軒を連ねていたという。バーも多く、連夜、多くのサラリーマンでにぎわった。今でも営業を続けるのは、八幡屋と西隣の中華料理店「夜来香」だけだ。


大学卒業後に繊維商社で働いていた敏夫さんは、社内で出会った松子さんと結婚した翌年の70年、退社して店に入った。秀吉さんが64歳で亡くなる81年まで11年間、包丁の使い方から料理の作り方まで見よう見まねで覚え、修行した。


敏夫さんのこだわりは季節の魚料理だ。夏はスズキの刺し身とアユの塩焼きにキスのフライ。冬はヒラメの刺し身にカキやワカサギのフライなど。自ら市場に出向き、仕入れた。


客の顔ぶれも多彩だった。洋画家の故北川民次さんは毎年店内に飾られる干支の色紙を描いた。元NHK名古屋放送局アナウンサーで、今年6月に亡くなった俳優の野際陽子さんや、敏夫さんと同年代の俳優北大路欣也さんら、数多くの有名人も訪れた。


高校時代からこの路地を歩いていたという清須市在住の評論家、呉智英さん(70)は、約10年前から店で開かれる名古屋在住の文筆家やジャーナリスト、大学教授らの集いに参加。2階の座敷で酒を酌み交わして議論したという。「物静かで知的な大将と紳士的な常連客、趣のある木造建物が見事に調和し、くつろいで議論できる雰囲気を持った希少な場所だった。閉店は本当にさみしい」と話す。


敏夫さんは「うちは酔って暴れる客もいなく、本当にお客さんに恵まれた。感謝しかない。今後は友人とゴルフや釣り、夫婦で旅行と元気なうちに残りの人生を楽しみたい」と話した。(小川智)



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