北朝鮮のミサイル発射を受け、取材に応じる安倍晋三首相=29日午前7時57分、首相官邸、岩下毅撮影
北朝鮮が発射した弾道ミサイルが北海道・襟裳岬上空を通過し、太平洋上に落下したことを受け、日本政府は29日午前7時過ぎから国家安全保障会議(NSC)を首相官邸で開き、対応を協議した。終了後、安倍晋三首相は記者団に「我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威であり、地域の平和と安全を著しく損なうものであり、断固たる抗議を北朝鮮に対して行った」と述べた。
北朝鮮弾道ミサイル、襟裳岬上空を通過 太平洋上に落下
特集:北朝鮮ミサイル発射
首相は、国連安全保障理事会に対し、緊急会合の開催を要請する方針を表明し、「国際社会と連携し、北朝鮮に対するさらなる圧力の強化を強く国連の場において求めていく」とした。また、「(日本)政府としては、ミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握しており、国民の生命を守るために万全の態勢をとっている」と強調した。
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■今年の北朝鮮の主なミサイル発射
2月12日 新型弾道ミサイル「北極星2」を発射
3月6日 「スカッドER改良型」4発を発射。うち3発は日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下
22日 弾道ミサイルを発射
4月5日 新型とみられる弾道ミサイルを発射
16日 中距離弾道ミサイルを発射
29日 新型とみられる弾道ミサイルを発射。数分後に北朝鮮内に落下
5月14日 新型の中長距離弾道ミサイル「火星12」を発射
21日 「北極星2」を発射
29日 弾道ミサイルを発射。EEZ内に落下
6月8日 地対艦巡航ミサイルを数発発射
7月4日 日本海に向け大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射。EEZ内に落下の可能性
7月28日 ICBMを発射。大気圏再突入に失敗した模様
8月26日 日本海に向けて3発の短距離ミサイルを発射。うち2発が日本海に落下