23日付の労働新聞(電子版)が掲載した写真。右奥の図に「北極星3」、左の図に「火星13」と読める文字がある(同紙ホームページから)
緊張状態が続く米朝がメディアを使い、互いを牽制(けんせい)しあっている。北朝鮮側は新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの存在を示唆する写真を公開。米国側は軍将校が在韓米軍基地で記者会見し、北朝鮮に圧力をかける。極端な軍事行動を避けつつ、「心理戦」で相手の譲歩を引き出そうとしているようだ。
北朝鮮の労働新聞(電子版)は23日付で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が国防科学院を視察した様子を報道。掲載した写真に「火星13」という文字とロケットの図や、「水中戦略弾道弾 北極星3」と書かれた別の図が写っていた。
すでに北朝鮮は中距離弾道ミサイル「火星12」とICBM「火星14」を発射。火星13の試射は確認されていない。2段式の火星14と比べ、火星13と書かれた図は3段式ともみられ、射程をさらに延ばす意思を示す狙いがありそうだ。
また、北朝鮮は昨年8月、射程が約2千キロとされる潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星」を発射。北極星3はその新型とみられる。
北朝鮮は26日、日本海に3発の発射体を発射。韓国大統領府は300ミリ多連装ロケット弾とみる。さらに北朝鮮メディアは同日、韓国の白翎島などを占領する軍の演習が行われたことを報じた。
一方、米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」の開始前日の20日、ハリス太平洋軍司令官やハイテン戦略軍司令官ら米軍将校が相次いで訪韓。韓国メディアは「北朝鮮を意識した行動」と報道。米韓関係筋は「実情はやや異なるが、北朝鮮へのアピールになるから、米軍側もあえて否定しなかった」と語る。
同筋によれば、ハリス氏は韓国…