セッションズ米司法長官は4日、機密情報漏洩(ろうえい)に対する捜査を強化する方針を明らかにした。同日の記者会見で「漏洩は情報機関の任務遂行を妨げ、国家にダメージを与える」とし、「漏洩文化を終わらせなければならない」と強調。連邦捜査局(FBI)に漏洩捜査を担当するチームを設置したことを発表した。
さらにセッションズ氏は「メディアの役割を尊重するが、限度がある」と述べ、メディアへの捜査に関する司法省の規定を見直す可能性にも言及。現行の規定では、報道の自由を守るため、記者の証言や資料の提出を強制するにあたっては、他の手段を尽くすことなどの制限を設けている。セッションズ氏はこの規定を見直し、メディアへの圧力を強める可能性がある。
トランプ政権が発足して以降、米メディアは匿名当局者の情報に基づいて、「ロシア疑惑」やホワイトハウス内の混乱を連日報じている。トランプ氏は報道は「虚偽ニュース」としながらも、漏洩を度々批判。先月末にはツイッターで「セッションズは漏洩に弱腰だ」と批判しており、捜査強化はトランプ氏の意向を受けたものとみられる。
セッションズ氏はまた、機密情報漏洩に関する司法省への報告が「爆発的に増えている」と指摘。トランプ政権発足から約6カ月間の報告総数は過去3年分に相当するという。情報漏洩で捜査中の案件は、オバマ前政権終了時と比べて3倍以上で、4人を訴追したことも発表した。(ワシントン=杉山正)