都議会臨時会の閉会後、あいさつ回りで都民ファーストの会を訪れた小池百合子都知事(左)と出迎えた同会幹部=東京都新宿西新宿2丁目
小池百合子・東京都知事の支持勢力が圧勝した7月の都議選後、初の本格的な論戦となった都議会臨時会が5日、閉会した。小池氏が事実上率いる第1党「都民ファーストの会」は知事を称賛する姿勢が際立った。「小池1強」の都政に対し、チェック機能は果たせるのか。
「真に都民の安心安全を守ることにつながった」。5日の本会議。同会の都議が、小池氏が1年前に表明した築地市場の豊洲移転延期を全面的に評価してみせると、議場の同会都議らから拍手が起きた。
6日前の8月30日、都議選後初めて小池氏に質疑をした本会議でも、同会は小池氏支持の姿勢を前面に出した。
「大変勇気のいる決断。『待った』をかけなかったら大混乱に陥っていた」。登壇した都議は移転を延期した判断をこう持ち上げ、豊洲市場の主な建物下で汚染対策の盛り土がなかった問題や、運営費の赤字が年92億円に上る問題なども「知事の指摘がなければ浮かばなかった」とたたえた。小池氏が6月に打ち出した「豊洲に移転後、築地を再開発する」という基本方針を含め施策に対し、「高く評価する」という言葉を連発した。
同会都議が小池氏の施策をチェックできるかは、都議選でも問われた課題だ。同会はいま、定数127のうち55議席を占め、23議席の公明と合わせて過半数を握る。小池氏はこれまで「非常に力強くチェックしてくれる」と話してきた。
しかし、知事与党とはいえ、同会都議らの知事への追随ぶりに、同じ知事与党の公明党会派の幹部も「もう少し追及する姿勢がないと」と漏らす。小池氏周辺も「あそこまでとは知事も思っていなかった」。対立する自民党会派の幹部は「小池人気で当選した都議ばかりで、チェック機能は無理」と批判する。
自民が第1党だった都議選前の状況と打って変わって、小池氏が都議から厳しく追及される場面は大きく減りそうだ。
その小池氏も30日、「経緯が…