「マグニチュード(M)10・5の巨大地震が来る」「火山が噴火した」――。19日に地震が襲ったメキシコで、「フェイクニュース(偽ニュース)」が広がっている。市民の不安をあおる情報が、ソーシャルメディアなどを通して急速に拡大。政府は、出どころの不確かな情報を信じたり、安易に拡散したりしないよう呼びかけている。
メキシコでは地震後、フェイスブックやメッセージ交換アプリのワッツアップを通じ、偽ニュースが広まった。「48時間以内にメキシコと米国を巨大地震が襲う。国連も注意を呼びかけている」。大学名や専門家の名前を挙げて事実らしく装っているが、国連は「強い地震の警告はうそ。広めないで」と否定している。
「メキシコに家族がいたら伝えて。30分後に5倍の規模の地震が起きる」と恐怖心をあおるメッセージも飛び交う。国内の具体的な地名を挙げて近く地震が起きると書き込んだり、メキシコ中部の活火山が噴火したと、偽写真付きで伝えたりするものもある。
メキシコでは7日の巨大地震で、同国南部で約100人が死亡。その12日後には中部を震源とする別の地震が首都メキシコ市などを直撃し、発生から1週間を迎えた26日までに333人の死亡が確認された。
相次ぐ地震で人々が不安を抱える中、《地震が起きるのを政府は事前に知っていた》《地震と北朝鮮の核実験は関係がある》などと根拠のない情報も広まっている。実際には崩れていないビルや高架について《倒壊した》と広めたり、顔写真付きで《この子は迷子で家族を捜している》と呼びかけたりするものもある。
ソーシャルメディアによる情報…