気象庁によると、超大型の台風21号は23日午前3時ごろ、静岡県御前崎市付近に上陸。その後も風速25メートル以上の暴風域を伴って北上し、早朝に関東を直撃した。記録上、初めてとなる「超大型」での上陸。各地で被害が出た。
台風は23日午前11時時点で中心付近の最大風速は30メートル。時速75キロで北東へ進み、23日夜には北海道の東で温帯低気圧に変わる見通し。同庁によると、解析記録が残る1991年以降、超大型(風速15メートル以上の強風が半径800キロ超)での日本上陸は初めて。
上陸後も北陸から東北にかけての広い範囲で暴風や大雨となった。東京都八王子市では23日早朝までの24時間雨量が283ミリと10月の観測史上1位を更新。台風の進路にあたる北関東各地や仙台市、福島市などでも観測史上1位の雨量を記録している。
東北や北陸では午後にかけて激しい雨が降るため、さらに雨量が増える恐れがある。24日午前6時までの24時間雨量は多い所で北陸180ミリ、東北160ミリ、北海道100ミリの予想。
この台風で、福岡市東区で建設用の足場が崩れ、巻き込まれた男性が死亡。大阪府岸和田市では府道が冠水し、沈んでいた軽乗用車内で女性(68)の死亡が確認された。和歌山県紀の川市でも民家に土砂が流れ込み、夫婦とみられる男女が相次いで救助されたが、80代男性は呼びかけに応じていないという。
総務省消防庁によると、23日午前6時現在、大阪や三重など16都府県の9万3873世帯(21万4966人)に避難指示(緊急)が発令された。(山本孝興)