小野薬品工業は6日、2018年3月期の純利益の予想を従来の290億円から395億円に上方修正したと発表した。がん治療薬オプジーボの販売が好調なためで、欧米での販売を担う米国の会社から受け取るロイヤルティー収入が想定よりも増えそうだという。
国内では9月から一部の胃がん治療にも使えるようになり、オプジーボの国内やアジアでの売上高も従来予想から100億円積み増した。これまではオプジーボの薬価が半額に切り下げられたため、18年3月期の純利益は前年比48%減としていたが、減益幅は29・2%に縮小する見通しだ。
国はオプジーボを含む高額な薬に対し、費用対効果が悪ければ値下げを検討する制度を18年度から導入する予定で、内容について議論している。小野薬品の相良暁社長は同日の決算会見で「イノベーションをしっかりと評価する制度であってもらいたい」と注文をつけた。
17年9月中間決算は、売上高が前年比3・2%増の1214億円、営業利益が11・1%減の267億円、純利益が8・3%減の212億円だった。(新田哲史)